「あの、久瀬君っ」

「ん?」

私の呼びかけにそう言って

本棚から私に目を移す久瀬君。

うわっ、かっこい…

今すっごくすっごくきゅんってした…

そんなきゅんきゅんした状態の

胸元を抑えてから、再び口を開く。

「あ、あの、私昨日言いそびれて…
助けてくれてありがとう」

そう言うと久瀬君は、

ああ…と言って私から目をそらす。

「別に。
…それより助けてよかったのか?」

「え?」

なんで?

っていうか久瀬君、

なんかちょっと不機嫌…?

「杉浦ってモテるんだろ?
一緒にいられて実は嬉しかったんじゃないかって昨日思ってたから」

そう言ってフイッと顔をそらす久瀬君に、

一瞬動きが止まってから慌てて口を開く。