そう言って慌てて恐ろしいほど汚れた

本棚の前にいき、

せっせと本をかき集める。

すると、

スッ…

「え?」

久瀬君が、私がまとめた本を

きちんと本棚にいれていく。

「手伝う。
量が量だしな。一人じゃ大変だろ」

私の方を見ずにそう言って手を動かす久瀬君に、

なんともいえない胸のときめきを覚えて、

どんどん鼓動が速くなる。

ドキン…ドキン…ドキン…ドキン…

なんだろう…

やっぱり私、

久瀬君のこと、好きだな…

「どうした?」

じっと久瀬君を見つめていると、

ふと久瀬君が私を見る。

ドキンっ!

「う、ううん!なんでも…!」

「…?まあいいけど。
早く終わらせて戻るか」

「うんっ」

私はそう返事をすると、

まだ鳴り止まない鼓動を感じながら

再び手を動かし始めた。