「久瀬がまた女子に追いかけ回されてるからもう観覧車乗ってろ!
もうすぐ1時半だし、俺観覧車乗れねーから!」

…へ?

「ほら早く!」

「い、いやいやなに言ってっ…「久瀬まじでそろそろ禁断症状起こす寸前だから!」

え!?

そう言って和樹の後ろにいる久瀬君に目をやると、

た、確かにもうフラフラ…!

「ゆ、夕実…」

振り返ると、

親指をグッと立てる夕実。

えぇぇ…

そしてその背後から迫ってくる女子。

…よし、とにかく

「久瀬君、行こうっ」

私はそれだけ言うと久瀬君の手を取って

観覧車まで一目散に走る。

そうしてさすがのお昼時、

ガラガラの観覧車に飛び乗り

下で久瀬君ー!

(どこかで下梶妹めー!!っていう声がした気がしなくもない)

と叫ぶ女子を見てほっとため息をついた。