久瀬くんは〇〇恐怖症

そう言って心底驚いた顔をする夕実。

いやいや!!

「そんなわけないよ!
久瀬君は友達だし、…す、好き、とか、その…」

思わず俯いてしまうと、

ははーん、みたいな感じの表情をする夕実。

な、なにその顔は…

「自覚する前か〜」

「じ、自覚?」

なんのことだろ?

「まあじきに気づくものだし、今はなにも言わないでおこうかなっ。
さ、お昼ご飯買いに行こう」

そう言ってやや強引に話を終わらせたけど、

自覚ってなんのだろう…?

っていうか

それよりなにより、

カップルの馴れ初めって…

久瀬君と…?

一瞬想像して

かぁああ/////と顔が熱くなって

思わず顔を覆う。

「優雨?」

「な、なんにもっ…」

指の間から夕実を見てそう答えつつ、

しばらく手を離せない。