久瀬くんは〇〇恐怖症

そんなこんなで

久瀬君が女性恐怖症ということは伏せつつ、

今まであった経緯(いきさつ)を全て夕実に話すと、

夕実は椅子の背にもたれて

う〜ん…と考える仕草をする。

「優雨、それって…」

「うん?」

そう言う私の目を見て

う〜ん…と再び考え込みながら口を開く夕実。

「…なんかね、カップルの馴れ初め聞いてるようにしか聞こえない」

・・・

「え!?」

「いやだって、
実はイケメンだったのを女子の中で優雨だけが知ってて、
二人の距離がだんだん縮まって行って、
久瀬君がイケメンってことがバレてそわそわしてるわけでしょ?」

い、いや、それはそうだけど…

「…どう聞いてもカップルの馴れ初めだよ…」

「で、でも、実際はそんなんじゃないよ」

「ふ〜ん?
でも優雨、久瀬君のこと好きなんでしょ?」

・・・

「はい!?」

「えっ、違うの!?」