久瀬くんは〇〇恐怖症

これから久瀬君が注目されて、

みんなが久瀬君のいいところを知ってしまうってことに、

焦りに似た、悲しい気持ちになって、

なんだかすごく…

…嫌だ…。

ぎゅっと唇を噛み締め、

その後色んな思いを振り切るように、

一度息を吐く。

「夕実、ジェットコースター乗らない?」

「えっ、いきなり!?」

「うん!
今なら空いてるし、ちょっと風切りたいの」

「なにそれかっこいい…!」

そう言って笑い合って、

悩みを吹っ切るように

ジェットコースターに乗り、思い切り楽しむことにした。