久瀬くんは〇〇恐怖症

皐月side

「久瀬、お前なんか機嫌悪りぃの??」

「なんでだよ?」

「なんかすげぇザックザック言わせながらかき混ぜてっから」

そう言われてあんみつに目線を落とすと、

確かにアイスの部分がザックザック鳴っている。

さっきからうるさかったのこれか…

「なんかあったのか?」

「…いや、別に」

「なんだよその間は」

そう言って俺のスプーンからあんみつを食べた和樹を睨んで

再びザックザックかき混ぜる。

…自分でもイラついてたってことに気づかなかったな。

というかなんでイラついてるんだ?

そう思いつつ、

視線が自然と出口に向かう下梶を追う。

…ってなんでだよ。