今週もなかなかお互いゆっくりした時間も過ごせず、帰宅後に電話をして話し合いをすることが多かった。

優木くんとの電話の後、急いで私はお母さんに電話を掛けた。30日に結婚式を挙げることになったこと。

急いだ理由は優木くんのおばあさんに結婚式を見せてあげたいこと、それと、結婚詐欺にあって優木くんと偽装結婚をすることになったことも、ちゃんと話した。


「あんた、そんな大事なこと、なんでもっと早くに言わへんの？」


「そんなん、言えるわけないやん。みんなに心配かけたくなかったの」


「なんでそしたら今になって言おうと思ったん？」


「嘘、吐いてんのが嫌やったんよ。優木くんがおってくれたからちゃんと話そうと思ってん」


お母さんは最初、かなり怒っていたけれど、私が優木くんに救われた話をすると最後は優木くんがいてくれて良かったねと言ってくれた。


うん、私も本当にそう思う。優木くんがいてくれて本当に良かった。結婚式の詳しい時間帯が決まれば連絡するからと電話を切って、ようやくホッと一息。


「後は、打ち合わせだな」