強引同期と偽装結婚することになりました

「あっ、ヘタレ王子のご帰還だ」

「誰がヘタレ王子だ!葵、お前、余計なことまで話したんじゃないだろな?」

「葵ちゃん、一緒に逃げよう。祐兄、怒ったらしつこいからさ」

なつみちゃんに手を引かれ、家の中を走り回る。階段まで駆け上がり、ここに入っててと言われ、二階の奥の部屋に入れられてしまった。


「ここ、優木くんの部屋?」


なつみちゃんに聞いたのに返事がない。代わりに聞こえてきたのはドアが開く音。大きな音にビックリして振り向こうとすると後ろから強い力で抱きしめられた。優木くん?

「なんだよ、あれ。俺のこと、好きとか」

「本当だよ。でも、優木くんは私に同情してくれて、おばあさんに結婚式を見せてあげたいから私と結婚してくれるんだって思ってたから言わないつもりだった」


「・・・そんなわけないだろ。俺は、好きでもないやつにそんなこというほどお人好しじゃない。俺はお前の弱ってるところに漬け込んだんだ。だから気が変わる前に、結婚してやるって強引に考える隙も与えなかった」


ため息と共に聞いた優木くんの本音。優木くんはずっと私を好きでいてくれたんだ。私は、もう誰にも後ろめたい気持ちにならなくてもいい。


私も優木くんもお互いがお互いを思って、好きで結婚する。