「ただいま、連れてきたから」

優木くんが玄関を開けて声を掛けるとドタドタと大きな足音が聞こえてきた。パチクリと瞬きをしていると玄関には次から次に人がやってくる。

「おかえり、お兄。チキンは?」

「なつみ、その前に挨拶が先だろう。あーえっととりあえず揃ってるから玄関先で悪いけど、左から次男の薫、19歳。長女の陽菜、17歳。それと次女のなつみ、15歳に・・・」

「ゆうきひろとです。5さいです」

「三男の大翔。全員、俺の弟と妹」

私の目の前にいる人は全員で4人。優木くんを少し幼くした男の子に、優木くんをクールにした美少女。

更に人懐っこい笑顔が優木くんに似ている女の子に、優木くんの子どもでも通じる小さな男の子。


「あっ、いらっしゃったのね。もう、みんなこんなところで立ち話なんてしてないで入ってもらわなきゃ。こんにちは、祐の母親のみちるです」


「は、は、はじめまして。篠宮葵と申します」


更に現れた人はお母さんと思えないくらい若くて綺麗な女性だった。