「優木くん・・・」

「ごめん。何も話さずに暴走して」

「ねえ、優木くん。私は全部話したよ。すごく情けない、惨めな話。そして、それを聞いて心配して救ってあげたいって優木くんは思ってくれたんでしょ?だったら私も優木くんが何か悩んでいるなら助けになりたいよ。私じゃ頼りないかもしれないけど。でも、私は優木くんの話をめっちゃ、聞きたいよ」

「・・・バカ。今、使うなよ。ズルいだろ?」

「優木くんの真似しただけだもん」

新幹線の中、私たちはずっと手を繋いでいた。優木くんは手を繋ぐのが好きみたい。

私はまだまだ優木くんのことで知らないことがたくさんあるんだろうな。


「結婚式、参加してほしい人がいるって言っただろ?あれさ、俺のばあちゃんなんだ」


「おばあさん、そのどこか悪いの?」


「体は悪くないんだけど、もう誰が誰だかわからなくなってるみたいでさ。思い出すこともあるみたいなんだけど忘れてることのが多いんだ。どんどんと進行してるみたいでさ。だから、まだ思い出すことがあるうちに結婚式を挙げたいと思った」