強引同期と偽装結婚することになりました

「担当の松永です。よろしくお願いします」


涙を拭っていると担当者の女性を連れた横山部長が戻ってきた。

横山部長の隣に立っている松永さんという女性はなんだか雰囲気が祐のお母さんに似ていて、親近感が湧いた。


「ねえ、優木さん。実はね、私も松永も働くママなの」


「そ、そうなんですか?」


「そうなの。だからあの同封されていた手紙を読んだとき、泣きそうになったわ。すごく気持ちが分かったもの」


「私も、娘がいるんですが、仕事、育児の両立で一人の時間なんて持てなくて。だから、せめて温泉施設に託児所を併設してほんの少しの時間でもお母さんに一人の時間を過ごしてもらいたくて提案したんです」


「そうなんですか?!」


「私も松永の提案には賛成で、そこを他社とは違うウリにしたかったのであなたの企画はとてもいいと思ったの。それなのに、私が休みだからと高橋が勝手にtrabitの優木さんというだけで応対した挙句、失礼な態度で本当に申し訳ありませんでした」


「いいえ。とんでもありません」


横山部長はそれから男性社員との対立があったことも話してくれた。託児所は男性社員からすれば必要のないもの。


それならば、他のものを新設するほうが効率がよいと。