薄暗くて優木くんの表情は見えないけれど多分、なんて声を掛けていいのか迷っているはず。

私だって自分がそんな話を聞かされたらどう返していいのかわからない。だからなるべく最後は明るめに話したつもりだけどやっぱりこんな話、重たいだけに決まってる。


優しい優木くんのことだからきっと何かしてあげたいと思ってくれているだろうけれどさすがにそんなことは望んではいない。聞いてもらえただけで十分。


もちろん、これからどうすればいいのか何も思いつかないけれど話したからか、少しだけ気分的にマシにはなったかもしれない。


「・・・篠宮」


「あ、ありがとう。こんな重たい話を聞いてくれて。話したからかな。なんだか少し気が楽になったよ」


「篠宮!」


そろそろ帰ろうかと立ち上がろうとすると座ったままの優木くんにギュっと手を引かれる。

思わず、体制が崩れて優木くんの上に倒れこんでしまった。慌てて退こうとしたのに背中にギュっと回された手。


「ゆ、優木くん?」

「俺と、結婚しないか?」