強引同期と偽装結婚することになりました

嗚咽を漏らして美津子さんとお母さんが泣いている声が聞こえる。でも、おばあさんの声は聞こえない。やっぱり、思い出すことはないのかな。


無事、何事もなく、結婚式は終わってしまった。誓いのキスは今回は頬に。それでもやっぱり私は勘極まって涙が零れた。

ここに私の家族はいないし、友達も誰もいない。それでも、優木くんの家族に見守られた結婚式はきっと忘れない。


「新郎新婦が退場します」


鳴り響く拍手。ゆっくりとまたバージンロードを歩いていると小さく囁くような声。

最初は気のせいかと思ったけれど、周りがザワザワとし始め、ピタリと優木くんが立ち止まり、振り返った。


「・・・おじいさん」


「ばあちゃん!」


たまらず私の手を離し、優木くんはおばあさんに駆け寄る。そして、その体をギュっと抱きしめた。