「あっ、おかえり。二人ともお腹、空いとうやろ?ご飯、作ったから先に食べてしまい」


気乗りしないまま、あっという間に家に到着。鍵が開いていたのでドアを開けるとエプロン姿のお母さんが出迎えてくれた。


優木くんと二人、中に入るとお母さんの手作り料理がたくさん並んでいた。

肉じゃが、焼き鮭、お味噌汁。卵焼きにおひたし。そして、いかなご。


「ほらっ、話は後、後。うちらは、食べたからあんたらも早く食べ」


有無を言わさず、テーブルに座らされ、ご飯をつがれた。優木くんと顔を見合わせたけどお母さんが早くと急かすから、とりあえず、用意してくれたご飯を食べることにする。


昔は、和食の献立のとき、ブツブツ文句を言っていた。ハンバーグやグラタン。

洋食が好きで煮物や焼き魚なんて嬉しくもなかったけれど、今は和食がホッとする。


「ごちそうさまでした」


お母さんのご飯を食べ終えて、いよいよ本題。お父さんはまだ私が帰ってきておかえりとしか口を開いていない。


食器は後で片付けることにして、私と優木くんはお父さんとお母さんの向かい側に座った。