稲武からかえって一晩休んだ5月22日。


この日は死ぬまで忘れない。

前日雨が降った分、台風一過のように快晴で清々しい空で雲は綿菓子のような形のものが2、3個あるくらいだろう。いつものように自転車を走らせアピタに行く。隣には小太りの相棒の駿太がいろいろとくどく質問しているが耳に入らない。


隼人はお母さんが帰って来ないと行けないと、3時くらいになるとのこと。こんな日だというのに。隣のテーブルにはたちの悪い集団だ、やくざとか不良とかではなく、学校が同じだから厄介なのだ


その日俺は気持ちを伝えるつもりだった。付き合うとか付き合わないとかではなく、ただ好きという言葉を伝えたかった。


その日のよる。8時を回った頃だった。LINEする相手などほとんどいなかったのにLINEの通知音がなった。誰かと思い開いてみればまゆだった。

好きな人誰?

心臓が破裂しそうだった。このチャンスは逃せないがSNSで告白なんて男がすることではない。

教えてほしい?

とりあえず返しておこう。

うん!!教えて!

やらかした。

まゆが教えてくれたらね

この話の延長は無駄だと思い、ついに答えた。相手の反応は4分間途絶えたが俺のなかでは2時間くらい経過していたと思う。

私の好きな人隼人に聞いたよね?

そのとおり。まゆの好きな人が俺であることは隼人から聞いていた。

うん、付き合ってくれる?

うん

飛び上がり天井に頭が当たりそうだった。