王様ゲームは俺たちのブームとなった。


「1番が好きな人を言う」


1番はまゆだということを隣の俺だけは知っていた。が、しかし1番は俺になることは予想がつくだろう。

「晴也かよ」
「悪かったな」

がっかりした理由はみんなが俺の好きな人を知っていたからではない。大富豪を時々やるとき1位は罰ゲーム、王様指令の免除が与えられた。その権利を何回勝ち取ったかわからない。これはまゆに貸しを作っておくのが得策だ。

「俺に任せな」
「いないっていうからいーよ」
「女子は男子に甘える方が得だよ」
「わかりました」

「晴也の好きな人って一條?」

ビックリして振り替えるとバスケ部の集団がいた。肩がくっつくほど近くにいたこととこそこそ話をしてるところから推理されたのだろう

「違うよ?」
「やけに優しいから付き合ってんのかとおもった」
「この人俺のこと嫌いだから」

隣で激しくうなずくまゆを見て少し後悔した。好きな人聞いて弱味でも握っとけばよかったと。