出会いは突然だった。

アピタにたむろしていた俺たちはなにもすることがなくフードコートの左側から3つ目くらいのテーブルに座りじゃんけんをした。

お金の動くじゃんけんだ。何をかけたか、それは――トランプ。
することが無さすぎてトランプを買ってきてやろうということになった。お金が関わることは平等にじゃんけんね。ということだろう。

負けたのが誰か、それはこの物語の作者であり主人公。そう俺だ。
わざわざ1000円もするトランプを買うなんて馬鹿げていると思う。
ふつうに100均のトランプでもババ抜きや大富豪はできるからね。

「うわー、弱っ」
「俺ジョーカー2枚ある!」

手札は平等ではなかったようだ。

「何してるの?」
「見てわからんの?トランプだよ」

話しかけてきたのは同じクラスの女子で俺のことをあり得ないほどの嫌っていたまゆだった。


「やる?」
「君に話しかけてないから、しかもルールしらんし」
「どーもすみませんね、」

こんなにひどいことがあるだろうか。嫌われるのはしょうがないがものの言い方を学んだ方がいいと思った。

この人物はこの先度々登場する。そう、これが〈運命のであい〉である、