トリアの妊娠9ヶ月頃のある夜、
俺は用事を済ませて部屋に戻る。
…と、トリアの姿が無い。

いつもなら、「お疲れさま」と優しく迎え入れてくれるはずのトリア。


ふと、不安になる。
愛想を尽かして出ていったんじゃないか…

そんなことされたら俺は…

妊娠した妻に愛想を尽かされた、出来損ないの王子だと呼ばれる…


トリア…帰ってきてくれ…

そう思った瞬間、ドアをノックする音が聞こえた。


コンコン

「?誰?トリアかい?」

返事が無い…トリアなら良いんだが…

「誰?…」

ガチャ…