コンコン

「父様。レグルスです。」

「入りなさい。」



僕は条件反射で震える足を一生懸命動かして父の部屋へ入る。


「あの女はまだ出入りしているのか?」

「ミラの事?」

「魔女の女だ!!!言われなくても分かるだろう」


父が荒っぽく立ち上がり僕の胸ぐらをつかむ。

「この毛はなんだ。」

僕の肩についた1本の金色のウェーブがかった髪をつまみ
父が目を血走らせて問う。


「どうして言いつけを守れない?」

「…」

「あんな、汚れた血筋の女を招き入れて…お前は何を考えてるんだ。」

「…ない…」

「は?」

「汚れてなんかない!!」


僕がそう言うと父は力いっぱい僕を床に打ち付けた。


勿論、顔や手の見える部分には怪我させないように。