君に遺された恋

僕は慌てて部屋に戻り、ミラのクッキーは引き出しに、
2つ用意されたティーカップの内のひとつはクローゼットに隠した。

父が万が一この部屋に来たら、部屋にミラを招いた事がバレるからだ。


夜に帰ってくると聞いていたから、鉢合わせないように朝の内にミラと会ったのに…


そんなことを考えていると…

コンコン
「ベルです。王様が至急部屋に来るようにと…」

「分かった。今行く。」


絶望だ。
また殴られるんだ。


この事は僕と父さん以外誰も知らない。
使用人も気付いていない。


王は誰にでも優しい顔をしているからだ。
とても人を殴るような人には見えない。

なのに…


僕は足取り重く父の部屋へ向かう。