ドアの前まで来てミラは確認するように言った。


「この気持ちは2人だけの秘密。」

「そうだね。」

「だから…このドアの外に出たら私達はただの友達。」

「分かったよ。そんなに言われると寂しくなる。」


触れたい。

もう一度だけ。


そう思ってミラに手を伸ばした瞬間…


コンコン

「ベルです。絆創膏をお持ちしました。」

ガチャ



はぁ…


僕は心の中で大きくため息をつきながら平静を装った。

「ありがとうベル。ミラが帰るから門まで送ってやってくれ。」

「かしこまりました。」


絆創膏を受け取り、2人の背中を見送る。