「もう離さない。」

「レグ…ルス…?」

「近くに居たいんだ。君に触れていたい。」

「どうしたの?おかしいよ?」


そのままの体制で、ミラの髪を手でときながら
僕は冷静さを取り戻そうとした。


だけどどうしてだろう。
いつまで経っても鼓動は速まるばかりで
全く落ち着かない。


彼女の香り
彼女の鼓動。
その全てが愛おしくてたまらない。


僕はゴロンとミラをベッドに下ろし、
体制を逆転させた。


「レグルス…見つめすぎ。恥ずかしい…」


真っ赤になって手で顔を隠すミラに
今度は僕が覆い被さるようにして耳元でたずねる。


「ミラ…好きな気持ちが溢れたらどうしたらいいんだろう。」