君に遺された恋

すると彼が私の手を握る。
大きな手…あたたかい…。
時が止まったように固まるレグルス。


「レグルス…?」

「はっ!ごめんつい…」


パッと手を放され、少しさみしい。
まさか…血を求めてるなんてバレてないよね…?

私は心を探るようにレグルスの顔を覗き込んだ。


「レグルス今日おかしいよ?どうかした?」


おかしいのは私だ。好きな人を傷つけようなんて。


「私が魔女の娘だから…?」


私ったら…
つい変なこと聞いてしまう…。


「え?」

「魔女の娘の手を握るのは怖い?」