それから半年。
俺は毎日のように城に通いエルナー王子、トリア様、レグルス様の診察をする。
赤ん坊のレグルス様にはよく懐かれて、
俺が抱き上げれば泣き止むようにもなった。
トリア様は最近よく話してくれるようにもなったし、本当に良かった…
そんな最中、俺は王様に呼び出される。
コンコン
「ジオラスです。」
「どうぞ、入りなさい。」
ガチャ
キョトンとする俺に、ここに座りなさいとソファーを指さす王様。
「それで…話なんだが…」
「はい。」
「息子が意識を失ってもう半年…トリアを、手放そうかと思うんだ。」
「は?!え?今なんと…」
「エルナーは…いつ意識が戻るか分からないんだろう?
もしかしたらこのまま一生…
いや、それ以前に息子はトリアを傷つけるような事をしたんだ。
トリアが窓から飛び降りるようなことをさせたのも、
エルナーの…いや、父親である私の責任だと思っている。」
「は、はぁ…」
「彼女はまだ若い。
これから未来も希望もある。
城に縛り付けておくなんて可哀想で…
せめてもの償いに、彼女を自由にしてあげようかと思うんだ。」
「…そう…ですか…」
「そこでだ。ジオラス君。君、独身だろう?
トリアに興味は無いかね。」
「は?!」
「一口に自由にすると言っても、次のあてが無ければただの出戻りだ。
結婚に失敗した可哀想な女の子だなんて
そんな屈辱的なこと、今の彼女に強要できない。
せめて、次の嫁ぎ先があれば…」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!
そんなことしたら…王子を見捨てた女だと周りからささやかれるのでは?
王子が気を失っている間に他の男をたぶらかした奴だと言われたら…」
「ははっ…まぁそうか。私の考えが浅かったね。すまない。」
長い沈黙の後、うっすらと涙を目に溜めて王様が口を開く。
「不安でね…毎日眠れないんだ。
この先どうなるのか…。不安で、不安で…
気が動転していたよ。」
俺は毎日のように城に通いエルナー王子、トリア様、レグルス様の診察をする。
赤ん坊のレグルス様にはよく懐かれて、
俺が抱き上げれば泣き止むようにもなった。
トリア様は最近よく話してくれるようにもなったし、本当に良かった…
そんな最中、俺は王様に呼び出される。
コンコン
「ジオラスです。」
「どうぞ、入りなさい。」
ガチャ
キョトンとする俺に、ここに座りなさいとソファーを指さす王様。
「それで…話なんだが…」
「はい。」
「息子が意識を失ってもう半年…トリアを、手放そうかと思うんだ。」
「は?!え?今なんと…」
「エルナーは…いつ意識が戻るか分からないんだろう?
もしかしたらこのまま一生…
いや、それ以前に息子はトリアを傷つけるような事をしたんだ。
トリアが窓から飛び降りるようなことをさせたのも、
エルナーの…いや、父親である私の責任だと思っている。」
「は、はぁ…」
「彼女はまだ若い。
これから未来も希望もある。
城に縛り付けておくなんて可哀想で…
せめてもの償いに、彼女を自由にしてあげようかと思うんだ。」
「…そう…ですか…」
「そこでだ。ジオラス君。君、独身だろう?
トリアに興味は無いかね。」
「は?!」
「一口に自由にすると言っても、次のあてが無ければただの出戻りだ。
結婚に失敗した可哀想な女の子だなんて
そんな屈辱的なこと、今の彼女に強要できない。
せめて、次の嫁ぎ先があれば…」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!
そんなことしたら…王子を見捨てた女だと周りからささやかれるのでは?
王子が気を失っている間に他の男をたぶらかした奴だと言われたら…」
「ははっ…まぁそうか。私の考えが浅かったね。すまない。」
長い沈黙の後、うっすらと涙を目に溜めて王様が口を開く。
「不安でね…毎日眠れないんだ。
この先どうなるのか…。不安で、不安で…
気が動転していたよ。」
