「君、あの時は確か…キャンディを売ってたよね?」

「よく覚えてるのね。街のお祭りのお仕事で、
売った分だけお金がもらえるって言われたから…」

「ははっ、あの時、エプロン姿で僕にキャンディを押し付けてくる君も可愛かった。」

「あなたも、あの時から既にかっこよかったわ。
付き人とはぐれて迷子になってたなんてかっこ悪いけど!」

「おい!それは言わない約束!」


レグルスは私の髪をぐしゃぐしゃにしておでこにキスをした後、
肩を抱き寄せて私の顔を覗き込んだ。


「ミラ…今もすごく可愛い。」

真剣な眼差しでそう言われて、
心臓がうるさくて、私はおかしくなりそうだった。


レグルスの顔がゆっくりと近づいて唇が触れる。


「初めてのキスがあなたで、すごく嬉しい。」

そう言ってレグルスの唇に指で触れると、
レグルスが私の指にキスして言う。


「初めてだけじゃなくて、これからも君は僕だけのものだよ。」