「ふふっ、トリアも恋してるんだな。」

「や、だから、その…気になってるだけで…」

「 「どんな声をしてるのか、どんな物が好きなのか、
彼のことを知りたくて、何をしてても手に着かない。」でしょ?」

「ぅ…そうね…これ…恋なのか…」


頭を抱えているとルイスがとんでもない提案をする。


「ねぇ、明日お城にちょっと様子見に行かない?」

「は?!」

「ちょっとだけ!外から覗くだけ!」

「駄目よそんなの!警備の人に捕まっちゃうわ!」

「じゃあ門の前まで!近くまで行けば、たまたま歩いてる王子に会えるかも!」

「ふふっ何それ。そんな上手くいくわけないわ。」


でも、何もしないより、諦めないで少しでもそばに行ってみるのは興味深いかも…


「じゃあ門の前まで…一緒に行ってくれる?」

「勿論!」


ルイスは意気揚々と返事した。

あんな事になるなんて…知る由もなく。