君に遺された恋

「ちょっ!トリア!?」

「素敵な街よ。あなたに服を選ぶわ!」

「服?!そんなのいいよ!お金なんて無いし!」

「いいの!私にプレゼントさせて!」



私は清々しい気持ちでルイスの手をひいて街を訪れた。


しばらく人ごみの中を歩いていると、
一件のショーウィンドウの前でルイスが立ち止まる。


「どうしたの?何か良い服あった?」

「あの人…」

「何?」

「あの人…すごく素敵…だなって…」


ショーウィンドウの奥、視線の先にはふんわりと優しい笑顔の男性が居た。


「ふふっルイスはあぁいう人が好みなの?」

「へ?好み?私の…?」

「素敵だなって思うってつまりそういうことじゃない?」

「はぁ…」

「ルイス、恋ね。」

「恋…?へへっ私恋なんて無理だ。」

「どうして?」

「私はさ、魔法を使えば誰の記憶にだって入り込めるんだ。」