君に遺された恋

彼女は複数の男相手に全く手こずりもせず全員を縛り上げ
屈辱で涙ぐむ男ひとりひとりの涙をひと舐めして目をつむった。

彼女が何をしているのかよく分からなかったけど
とりあえず私は傷つけられずに済んだ…

ほっとした私は縛られたまま
「ありがとう…」
と言う。


涙を舐められた男達は何故かその場で気絶していて私は訳がわからなかった。


すると、その女が言う。

「私、ルイス。魔女なんだ。」

「へ?」

「あんた私の小屋でよくも飽きずに毎日毎日…」

「えぇ?!ここに住んでいるの?!ボロボロだからつい…」

「ははっホントにあんた図々しくてデリカシーの無い女だよね。
見た目はそんな上品なのにさ。
嫌いじゃ無いよ、そういうの。」


ルイスが私の縄を、落ちていたナイフで切って解く。


「今この男どもからはあんたの記憶消しといたからさ、
こいつらが目を覚ます前に逃げなね。」

「え?!記憶?!消すことができるの?」

「まぁね。涙さえあれば記憶をいじることができる魔法を使えるんだ。」


そう言うとルイスは私の頭をポンポンと叩いて顔を覗き込む。

「あんた可愛いんだから、これからはもっと自分のこと大事にしろよ?」