一方通行 1

優那は昔から、良い子だ








手のかからない子だ、と言われてきた。








でもそれは優那が、周りの期待に応えようと我慢してただけ








本当は私みたいに自由に生きたいはず。

























優那というしっかりした姉がいるから、おかげで私は自由に生きてきた。









無理に親の期待に応えようともしなかったし、周りにも良い顔を見せることはなかった。


















優那は当たり前になってたんだ。









周りにいい顔をすることが








本当の気持ちを隠し、嘘の自分を作ることが・・・





























それは、妹として近くいた私が一番分ってる。









私は優那と比べられる辛さ








優那は私みたいに、自由に生きられない辛さ








双子だけど、似てない分同じような悩みを持ってる。


















そんな優那の顔を、沢山見てきたからこそ分かる。








大翔が好きなの?








そう聞いた時の、一瞬の変化を。






































優「何?急に。」









いつも通りの笑顔を見せると、何事もなかったかのように話す。









「なんとなく・・・」









まだ疑いの目を向けたまま言う。








優「好きじゃないよ。幼馴染ってだけ。」








そう笑うと、もう行くね








と言ってしまい、部屋を出た。