一方通行 1

2階に上がると、ドアが少し開きかかってる碧の部屋。









その隙間からそっと覗きこむと









背を向けてて表情は伺えない。









ただジッと、固まったように立ってるだけ。





























ゆっくりドアを開けると







「碧?」








部屋に入りながら、様子を窺うように呼ぶ。

















その声に驚いたのか、少し体をビクッと反応させると








碧「あ、忘れものしちゃって。」








あの違和感のある笑顔を見せた。



















碧、何を考えてるの?









碧「ほら、早くしないと遅刻するよ。」









そう言い、私の横を通り過ぎようとする









どうしてなのか、体が動いてた。


















部屋から出ようとする碧の腕をつかむと









「碧。」









真っ直ぐ見つめる。








その視線に耐えられないのか、少し合わせた後すぐにそらされた。




























私の考えてることは合ってる?




























「大貴が好きなの?」








何の躊躇もなく、迷いもなく








そう言った。




























その時の碧の表情、見逃さなかった。