一方通行 1

私の携帯の着信音









画面を見ると








「嘘でしょ・・・」









早速気づかれた?








いや、でも大翔の家にいるとは思わないはず。





























「帰るから、準備しててよ!」









指を差し、言い聞かせるように言うと
一度咳払いをして、声を整える。









画面をタッチする



















「あ、もしもし?」








足音を立てないように、ゆっくり階段を下りながら電話に出る。









優「凛那?部屋にもいないし、もう家出たの?」









やっぱり、家にいないことがバレてる・・・









「あ、うん。珍しく早起きしたもんだからさ、ちょっと散歩出てる。」








あははと、ワザとらしい笑いを含める。





























何とか玄関まで到達し、ゆっくりドアを開けて外に出る。

















ふぅ・・・








これですぐ隣の家まで戻れば、無事ミッションコンプリートだ。








意味もなく額から流れる冷や汗をぬぐい、ゆっくり歩みを進める。




























優「早起きなんて珍しいね。」









「え?」





























電話向うから聞こえる声のはずなのに









何故かすぐそこから聞こえたような声