『バカだな。』









『なんでわざわざ苦しむ?』









『どうせ叶わないのに。』









『ほんと・・・バカ。』





























うるさい








分かってるよ









頭の中でぼんやり響く声に、言い返す。


























私だってバカだって分かってるし、惨めだって実感してる。









でも諦められないものは仕方ないでしょ?








離れたって、結局雄希の事考えてて







優那と一緒にいる所を見ると、どうしても嫌な気分になって








自分でもどうすることも出来ない感情に、毎日苦しんでる。

























簡単に諦められるなら、その方法を教えてほしいくらい







私だって








好きでいたくないのだから・・・






































「ん・・・」








急に、額に温かさを感じた。








何か、慣れた温かさ















大きくて








まるで








「大翔・・・」








そう、大翔の手みたい。








いつも助けられてる








大翔の温かい手。




























さっきまで不安で、どす黒いものが渦巻いてる感情が
一気に引いていくのを感じる。





























穏やかになり








またも意識を手放した。