一方通行 1

大「もう一回!」








「えー、どうせ負けるじゃん。」








すぐ勝つのに、相手にしてても楽しくない。
何回も相手させられて、飽きてきたところだし。
















大「勝つまでやる。」







「勘弁してよ・・・」








あ、そうだ。








「優那来て。」







まだドアの近くにいる優那を手招きする。


















「ここ座って。」







入ってきた優那を、私の座ってた所に座らせる。








優「凛那?」








「大翔の相手してやって。私、もう疲れた。」








ずっとコントローラー握ってて、手首が痛い。








優「私やったことないよ!」








生真面目な優那は、ゲームなんて無縁。
何してるのかと思えば、雑誌を読みながら音楽を聴いてるらしい。








「大丈夫、大翔カスだから。初心者位が丁度いいよ。」









飲み終えたパックをたたみながら、適当に言う。








大「あのなぁ、さすがに初心者には勝てるぞ。」







得意げに言うけど、当たり前だ。



























「ちょっとやってて。私、ゴミ捨てて来るから。」







アイスの袋と、潰したパックを見せると部屋を出た。