一方通行 1

「もー、いいや。」







責めるのもバカらしくなり、テレビを消す。








面白い所見逃しちゃったし、見る気がなくなった。



























机の上の飲みかけのコーヒー牛乳を手にすると、大翔の横に座る。









「何?今日は何で対決する?」








沢山のゲームソフトが並べられた棚を見ながら聞く。









晩御飯の後は、毎回ゲーム対決をしてる。
これも恒例かな。





























「格闘系?レース系?」









どれも大翔じゃ、相手にならないけど。
でもそんな大翔を負かせるのが、なんかスカッとするんだよね。







例の勝てないゲームがある分、ちょっと大人気なくなってしまう。






































大「うーん、どれにすっか。」









そう言うと、ベッドから立ち上がってソフトの並んでる棚に行き








あれこれと手にして、悩んでる様子。

















大翔に好きなのをさせようと思い、携帯をいじっていると









大「手、繋いでたな。」








その言葉に、携帯から顔を上げる。


















大貴の方を見ると、背をむけたまま








まだゲームソフトを選んでる様子。