一方通行 1

大「倒れてきたお前に肩貸したのに、冷たいだろ。」








そう言うと、更に頭を預けてきた。








「だからって、大翔まで乗っけてくることないでしょ。」








授業中という事もあり、小声のやり取り。








ていうか、よくこの状況で先生何も言わないなと思ったけど
携帯をいじっても注意しない先生だったと思い返す。









抵抗するよに、頭を上に上げようとするが







その分、大翔が加重をしてくる。


























大「俺も眠くなってきたんだから、しょうがねーだろ。」









しょうがなくないわ!








大「それに、お前の頭・・・」








言いかけると、そのまま私の頭に鼻の先をうずめる。









「ちょっ・・・」








くすぐったいのと同時に、顔が近すぎる。




























大「すげー良い匂い。」








頭の匂いを嗅ぐ音が聞こえたかと思えば








「変態か・・・」








気持ち悪いことを言う。









ていうか、汗臭いの間違いでは?





























大「俺の好きなやつだ。」








好きなやつ?









「普通の市販のシャンプーしか、使ってないけど。」








トリートメントなんてもってのほか。




























大「そう言うんじゃなくて、お前の匂い。一番落ち着く。」









突拍子もない言葉に、驚いて大翔を見る。