聞いといて「ふぅん」だけかよ...
と心の中で、一人ツッコミ。
すると
「サキ」
急に名前を呼ばれ、左腕を引かれる。
「えっ...な、に...」
そして、一瞬の隙に
ちゅっと軽くほっぺたに、やわらかいものが当たった。
......え?
...んっ?んんん?
「...口じゃないからセーフっしょ?」
そして、そんな言葉を言い残して
安西くんは先に帰っていく。
いまの、って......
「......うぇ、えええ⁉︎」
それがキスだったと理解するまで私は
ドアの前で何分か立ち尽くしたまんまで
午後の授業には遅れて行ったのです。
