5秒数えるまでに好きと言え。



聞いといて「ふぅん」だけかよ...


と心の中で、一人ツッコミ。



すると



「サキ」



急に名前を呼ばれ、左腕を引かれる。




「えっ...な、に...」



そして、一瞬の隙に


ちゅっと軽くほっぺたに、やわらかいものが当たった。



......え?


...んっ?んんん?




「...口じゃないからセーフっしょ?」




そして、そんな言葉を言い残して


安西くんは先に帰っていく。




いまの、って......




「......うぇ、えええ⁉︎」




それがキスだったと理解するまで私は


ドアの前で何分か立ち尽くしたまんまで



午後の授業には遅れて行ったのです。