5秒数えるまでに好きと言え。




「俺、女子に迫って拒否られたの初めてだわ...突き飛ばされたし」



...変わってるってそっちの話かーい。



「...あの、突き飛ばしたのは...ごめんなさい

ケガとかなかったですか?」



やりすぎたかも、とは思ったけどさ。

でもあれは致し方ないというかなんというか...。




「...あー、そういや手首捻(ひね)ったかもなぁ」




自分の右手首を見ながら、痛そうな顔をしてそう言ったから


電車乗ってて、突然急ブレーキをかけられた感じぐらいの驚きで




「...えっ、うそ、ごめんなさい!大丈夫ですか⁉︎」




食いつくように安西くんの右腕を掴んだ。