5秒数えるまでに好きと言え。




「あれは...雅になりきってくれって頼まれたから」



安西くんは、一瞬、気まずそうな顔をしたけど

すぐにポソリと呟いた。




「なりきる?」



「ほら、あんたが見た女...

雅が好きらしくて、雅とああいうことした気分を味わいたいからって

雅になりきってほしいって言われたんだよ」



話しながら安西くんが、そういえば返してもらうのを忘れていたウサギちゃんストラップを


はい、と渡す。


受け取って、お礼を言おうとしたら




「...どうせやるなら雅のクラスがいいとか言われたから、それだけ」




その安西くんの言葉に遮られたけど


まぁ、いいか。