5秒数えるまでに好きと言え。




「変わるって、俺が?...なんだよそれ」



立ち上がった安西くんは、すぐそばにある壁にもたれかかる。



「だってクラスにいるときは、あんまり話さないし...口調もなんか違うし、それに本ばかり読んでるじゃないですか...」



「は?」



そのときの安西くんの


あの、なんとも拍子抜けした顔ったら。




「だから、なんでそんな人が変わったようになるのかって...」



安西くんは、少し考え込んだあと




「...あー...はいはい。なるほどね、わかったわ」




謎が解けたと言わんばかりの、清々しい表情を私に向けた。