そして、私はキャプテンになってしまった。


私にはできないと何度も言い張ったのだがその意見は通らなかった。


「しーまんなーいーっ‼︎」


そんな私は早速壁にぶち当たっていた。


道場の鍵がここまで閉めにくいとは思っていなかった。


今までは開けたことしかなかったから。


サビのせいで鍵が上手く回らないのだ。


私は毎日この鍵との戦いを繰り広げていた。


ガッチャガッチャいわせながらもう最後は死に物狂いで鍵を回し、そっと息をついた。



「閉まってよかったっすね。キャプテン。」



「いい加減その良く動く口を縫い付けてやろーか?」



「恐ろし。」



何の嫌がらせか、悠雅はずっと私をキャプテンと連呼し、似合わないとでもいうように笑う。


そんな奴に私は怒ることで自分の想いを隠していた。