(完)年下男子に惚れました

「一応呼びはしたんだよ?でもさあ、気づかなかったのは優菜じゃん」


「どーせ、瑠衣のことだから一回しか呼んでくれてないんでしょ!」


授業が終わり私たちは並んで教室まで歩いていた。


いつものように私と瑠衣が言い合う。


その口喧嘩をなだめたのはいつものように蒼だった。


冷静な蒼の言葉に少し静かになったかと思ったが、すぐに瑠衣は話題を変えてきた。

「そういえばさあ、優菜をからかってた後輩くんって噂のイケメン一年生っしょ?」


その言葉に真顔で答えてやる。


「あー、まあそう呼ぶオカルトな方達もいるようですね。」


「オカルトとか言うなよ。超かっこいいじゃん!うちは、後輩なんて恋愛対象外だけどさあ、優菜はどうなの⁉︎」


誰もあなたの恋愛対象外なんて聞いてませんけどね。そう心の中でボヤきながらたずねる。


「どうって?」


「恋愛的に見てどうかってことよ!」


出た。


瑠衣の三大口癖。「的に〜、感じの〜、まぢでぇ〜」


「いや。あんな幼稚で低レベルで尊敬心のカケラもない男絶対無理。」


変わることなく真顔でそう言い放った私。