「ってゆうか‼︎あんたは彼女いんの⁉︎ええ⁇」


「ちょっと、マジで顔がヤバいっすよ。もうゴリラを余裕で超えてます。」


「話逸らすってことは、あんたもいないんじゃーん。」


「先輩とは違って作ろうと思えばいつでも作れる状態なんでご心配なく。」


言いよどむこともなく、サラリとそんなナルシスト発言をする悠雅。


しかし、その通りなのだ。


この男は、入学してすぐの実力テストで満点を取り堂々の一位を取ったらしい。



もちろん運動神経も抜群だし。



しかも、顔もイケメンに加えて、愛想もいいときたら女子がほっとくはずがない。


愛想がいいなんてどこを見たらそうなるのって感じなんだけどね。私的には。



こいつは間違いなく一年で一番モテる男。


そういうわけで私がこうやって馬鹿にされている最中も何人もの一年生が私を睨みつけてゆく。


私に何の罪があるというんだ。


「もうやだ…。」


わざとらしく涙声で言って顔を逸らすと、悠雅はきにするそぶりも見せず言った。


「先輩の次の授業って３階の教室ですよね。」


「そうだけど？」


なんのことかわからず素直に頷くと、悠雅はニヤッと笑って言った。


「俺は一歩隣に進めばそこが教室です。ちなみに、あと10秒でチャイムがなりますよ？」


…。


「やっぱ、お前一回地獄に落ちろ！
次会ったら覚えとけよおおおお‼︎」