(完)年下男子に惚れました

緊張していると、時間は妙に早いもので、ソワソワしている間に部活は終わった。



部室の鍵を閉めないといけない私は、みんなが着替え終わるのを待っている。



なぜか、今日、悠雅と一回も話せてないんだよね。



ちょっとだけ不安。



そんな自分に喝を入れて、みんなを急かす。



「ほらほら、早く着替える〜」



「お疲れ様でしたー」



「お疲れ様ー」



何度か声をかけると、みんなが着替える速度を速め、どんどん部室を出て行く。



最後に莉桜が、無駄にうるさい私を不審そうな目で見ながら出て行き、やっと部室を閉めた。



武道場の入り口まで急ぐけど、松葉杖のせいでなかなかうまくいかない。



もう帰っちゃってるかも〜



そう思い、諦め半分で靴箱を見る。



「いる…。」



思わず呟く。



一足だけ悠雅の靴が残っている。



って、靴まで覚えている私、やばいよね。