(完)年下男子に惚れました

「ん。」


私の前に、さっきのお土産やさんの袋を悠雅が突きつけてきた。


「え?」


意味がわからず、首を傾げていると、悠雅はまたそれを私に近づけて言う。


「やる。」


ぶっきらぼうなその言い方のせいで、単語の意味が理解できなかったが、しばらくして意味がわかって、その袋を受け取った。


袋を開け、中身を見ると、


「キモウマ…。なんで…?」


そこには私が諦めたキモウマのキーホルダーが入っていた。


驚きすぎて言葉が浮かばない。


「趣味悪いっすね。お金は返さなくていいんで。」


私なんで?って聞いたのに全く返してくれない。


「…言葉のキャッチボールしてよ…。」


キモウマの頭を撫でながら、呟く。


悠雅は見てたんだ。

私が千円貸してたこと。


そして、気づいてたんだ。


これを欲しがってたこと。



なんでそんなに優しいんだよ。


必死で堪えてないと涙がこぼれ落ちそうだ。