(完)年下男子に惚れました

手早く、家族へのお土産でご当地限定のお菓子セットを一箱買う。


莉桜はいろんなものに釘付けになってたから離れてしまった。


なので、1人でブラブラとディスプレイされている商品を眺めていた。


「どうしよ〜、お金千円しか持ってこなかったから足りないよ〜」


その声の方に目を向けると、それは同級生の女子だった。


涙を浮かべて、駄々をこねる子供のようにご当地限定キャラクターグッズの前に立っている。


ああ、そういえばあのキャラあの子大好きだったな。


そう思い出して、お財布の中身を見ると、そこには千円札が一枚残っていた。


「これ使いなよ。」


「えっ、優菜いいの!?使わないの!?」


「もう買ったからいいの!ほら!」


「ありがと〜、明日絶対学校で返すね!」


本当に嬉しかったのか、私があげた千円とグッズを何個か持ってレジへ走って行った。