マッドアイとの出会いは私が、変な男に絡まれた時だった。

絡まれた…というのは少し違うかも知れないが。

男の用件は、“自分の女を取るな”だった。

自分の女を取るなって……。少し可愛い子にウィンクしただけ。
その子がどう思うなんて私には関係が無い。


服の襟を掴みながら、ぐちゃぐちゃとどうでも良いことを言ってくる。


……下らない…。

「お兄さんがきちんとしないから彼女の目が変わるんだろ?それを気付けよ。……ほら、今こんなことをしているうちにも彼女の気が変わってるかもよ?」

そう言うと、いきなり痛みが襲ってくる。

男が私の長い髪を強く掴んだ事に気が付く。

あーあ……。この長い髪、気に入ってたのになーー。

男「男のくせにこんな長い髪をしやがって!俺が切ってやろうか?!あん?!」


あ、こいつ。私が女ってことに気が付いてない?えー。これでももう、成人した女性なのにーー。だから、女性に、捨てられるんだよ。

何かの刃物で、髪を切られそうになったとき。

「何をしている?」