私と幼馴染みの同棲生活


「舞ちゃん、よかったよー。」
自己紹介が終わって咲子は私に抱きついてきた。
咲子が震えていたのを私は隣で感じていた。
きっと、怖かったんだろう。

でも、一番最悪だったのは…。
「ねえ、舞ちゃん。もしかして、例の彼いたの?」
咲子は鋭い。なんと、朔くんと同じクラスだったのだ。
席は私とは違って前で窓側の席。しかも、本人は気づいていないのかもしれないけど、小学校の時に仲良かった親友も同じクラスだった。

「うん。いたよ。」
私は咲子に言った。そうしたら…。
「確かにイケメンだけど、私はタイプじゃないかな」
咲子はそう言った。まるで、私が好きだったことを知ったうえでのあれかもしらないとは私にもわからない。

そして、あっという間に時間が過ぎていって昼食の時間がやってきた。私は、咲子と一緒に屋上へと向かう。

前の学校でも昼食時間になったら屋上で一緒に食べていた。
一緒に同じ高校にいけて、しかも前の学校と同じことができるなんてと感動していた。

「ここもなかなかの景色だね」
咲子はそう言った。確かにそうだ。
大きな木があって太陽の光が少し木で隠れていて光が漏れている。これはとても写真にしたい気分だ。

私は、今だけ嫌なことは忘れたい。
私はこの時の私がずるいと思った。
両親が亡くなったあの日はどんなにたっても忘れることはないが、思い出すとまた泣けてきてしまう。

せめて、この時だけは…。