「な……なによ。こんなやつやなんてもう、相手しないわよ。フン」
一軍の女子たちはそう言ってこの場を立ち去っていった。
「舞……ちゃん。来てくれたんだ」
咲子の手は震えていた。本当は怖かったんだね、咲子。
「ごめん。今まで騙してて……。」
とても苦しそうに泣いていた咲子。
「ううん。私もそうだった……。咲子の言っていることは全て過去のことでしょ?」
私もそうだったから………。
「今も私のこと嘘友達だと思ってる?」
私がそう聞くと咲子は顔をあげた。その顔はまるで、苦しい涙なのに夕日で輝いて、一つの宝石のようだった。
「ううん…。」
「だったら、それでいいじゃない。今から、ちゃんとした友達になろう」
私は笑顔でそう言った。
友達に戻りたい。たくさんこれから喧嘩して、仲直りして、咲子のことを知りたい。
「私、舞ちゃんのことまだ何もわかってない…。でも、一緒にいていつからか一緒にいたいって思った。」
もう、言い訳する余地がない。
「じゃあ、これからも友達で…親友でいてくれる?」
私は涙をこらえてそう言った。
「舞ちゃーん」
咲子は私の名前を呼んで抱きついてきた。
私は涙をこらえていたけど、涙が一粒落ちた。

