私は朔くんのお母さんのお言葉が私が閉じ込めてた言葉の扉を開いてくれた。
「ごめんね。話したくないならいいから」
違う。違う。話したい。知ってほしい。
「待ってください。私の話聞いてくれますか?」
私がそう訪ねると「もちろん」と言って私の話を聞いてくれた。
咲子と喧嘩して今も仲直りが出来ていないこと。
咲子と朔くんが一緒にいたときのを目撃した日から自分が自分で無くなっていったこと。
そのことを朔くんに八つ当たりしてしまったこと。
小学校時にフラれて吹っ切りれていたはずなのに胸が痛くなっていくこと。
それが原因で自分の大切な人のことを傷づけてしまったこと。
そんな自分が嫌で、嫌で、仕方ないことを……。
私はすべてを話した。この心の叫びを誰かにずっと、ずっと、聞いてほしかった。
「ありがとう。話してくれて。今まで辛かったよね」
朔くんのお母さんはそう言って抱き締めてくれた。
すごく、胸が痛かったのに……それが嘘みたいに癒されていく。

